命燃ゆる京 ― 京都のフリーターは世界を救う ― 第一章 コンビニの夜
命燃ゆる京
第一章 コンビニの夜
京都・大阪を舞台にした都市ヒーローサスペンス
京都市左京区。
古びたマンションの一室で、男は目を覚ました。
「……また、か」
胸の奥が焼けるように熱い。
しかし、それは病気ではなかった。
男の名前は、神崎蓮(かんざき・れん)。二十九歳。身長百九十センチ。端正な顔立ちで、黒髪を無造作に整えている。
京都大学工学部を卒業し、大学時代は吉田寮で暮らしていた。卒業後は一流企業への就職を断り、京都市内のコンビニでフリーターをしている。
蓮には、誰にも話していない秘密があった。大学四年の冬、吉田寮の地下室で奇妙な装置を発見したのだ。
そこに刻まれていた文字は――「命脈」。
それは、生命活動をエネルギーへ変換する力だった。ただし、力を使えば使うほど、蓮自身の寿命が削られる。
だから蓮は、戦うことを避けていた。普通に生きる。それが彼の選んだ人生だった。
ところが、その夜。コンビニに一人の男が入ってきた。
「神崎蓮だな」
男は名乗った。「天衡(てんこう)」。
中国共産党の権力中枢から派生したとされる架空の超国家的秘密結社で、経済、情報、AI、エネルギー、軍事を掌握し、世界秩序を自分たちの思想で再編しようとしていた。
「我々は戦争を必要としない。企業を買収し、港を押さえ、通信網を支配し、金融を操作する」
蓮は拳を握った。
「人間は、お前らの所有物じゃない」
その瞬間、店内の照明がすべて消えた。
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