(中和)抗体カクテル療法

ロナプリーブは「抗体カクテル療法」と呼ばれ、2種類の抗体をまぜて点滴する。ウイルス表面に結合して増殖を抑える。軽症者が使える薬は初めてだ。

対象は持病や肥満などの重症化リスクがあり、酸素投与を要しない軽症、中等症の患者だ。デルタ型などの変異ウイルスにも効果があるとされる。臨床試験(治験)では入院や死亡のリスクが7割減ったとされ、重症化抑制が期待される。

抗体カクテル療法は当面、入院中の重症化リスクがある患者に活用し、早期退院につなげて病床を確保する考えだ。自宅療養者らに外来で投与することも検討している。

米バイオ企業のリジェネロン・ファーマシューティカルズが作った新薬で中外の親会社、スイス・ロシュが開発に協力した。トランプ前米大統領も感染時、特別に投与を受けた。その後、米食品医薬品局(FDA)が20年11月に緊急使用許可を出し、使われている。

厚労省が新型コロナの治療に特例承認した、抗体カクテル療法の医薬品(共同、中外製薬提供)

【参考情報】
開発中の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗体カクテル療法(casirivimab/imdevimab)に関する日本政府との合意について(2021年5月10日プレスリリース) https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210510150000_1105.html

入院をしていないCOVID-19患者を対象とした第III相臨床試験において、casirivimabとimdevimabの抗体カクテル療法が入院または死亡のリスクを70%減少(2021年4月2日発表プレスリリース) https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20210402150000_1096.html

中外製薬、ロシュよりCOVID-19に対する抗体カクテル療法を導入(2020年12月10日発表プレスリリース) https://www.chugai-pharm.co.jp/news/detail/20201210170001_1046.html

■ロナプリーブについて
 ロナプリーブは、2種類のモノクローナル抗体のカクテルであり、COVID-19の原因ウイルスであるSARS-CoV-2による感染防止を目的として、リジェネロン社によって創製されました。創薬過程においては、ヒト免疫機能を持つよう遺伝子組換えされた、リジェネロン社独自のVelocImmune®マウスによって産生された何千もの完全ヒト抗体、およびCOVID-19から回復した患者から同定された抗体が評価されています。 2種類の強力なウイルス中和抗体であるカシリビマブおよびイムデビマブは、ウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合部位に非競合的に結合することで、SARS-CoV-2に対して中和活性を示し、ヒトの集団で発生したスパイクタンパク質に変異を持つウイルス株に対しても効果を示すことが期待されます1。

■特例承認について
 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)第14条の3第1項の規定に基づき、以下のいずれにも該当する医薬品について、厚生労働大臣は、薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて、その品目に係る承認を与えることができるとされています。

疾病のまん延防止等のために緊急の使用が必要、かつ、当該医薬品の使用以外に適切な方法がない 外国(医薬品に関し日本と同等の水準にあると認められる薬事制度を有しているとして認められる国)で販売等が認められている VelocImmune®は、法律により保護されています。

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