ロシアの戦争犯罪

「ロシアのウクライナへの侵攻は、先ほど述べた、武力行使の禁止を定めた国連憲章2条4項に違反すると考えられます。
また、ロシアは、報道によれば、殺傷力が高いクラスター弾や燃料気化爆弾(真空爆弾)を使用したとのことであり、このことを前提とすると、少なくとも燃料気化爆弾はジュネーブ条約に違反することが考えられます。

これらのロシアの行為は、先ほど述べた、国際刑事裁判所が対象とする、人道に対する犯罪、戦争犯罪、侵略犯罪に当たることも考えられます」
上記以外にも
・学校・病院への爆撃(国際人道法)
・ジェノサイド(集団殺害)
・民間人への攻撃(国際人道法)
 ⇒民間人の遺体の償却(証拠隠滅)
・略奪
・赤十字施設への爆撃
・インフラの破壊(ジュネーブ条約に違反)
・核施設への攻撃(国際人道法)
・化学兵器の使用(国際人道法)
・対人地雷

プーチン1人が悪いような報道が多いが、そうではないような気がする。
虐殺・破壊国家を誰が止めるのか?⇒結局のところ国際法では強制力がないため、さばけない。(非難を受ける程度にとどまってしまう)

戦時国際法と呼ばれるものとしてハーグ陸戦法規やジュネーヴ条約などがあり、代表的なルールとして以下の8つがあります(条約締結国だけに適用されるものもあります。)。

⑴ 軍事目標以外への攻撃禁止(降伏者、負傷者、民間人等の攻撃禁止)

⑵ 休戦旗を揚げながら戦闘する行為

⑶ 遭難信号を不正に発信する行為

⑶ 赤十字旗を揚げながらの軍事行動

⑷ 軍事的必要性を超える無差別な破壊・殺戮

⑸ 捕虜虐待の禁止

⑹ 対人地雷使用の制限

⑺ 化学生物兵器使用の制限

⑻ 開戦に先立つ宣戦布告義務

【参考】国際人道法の重大な違反行為の処罰に関する法律
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=416AC0000000115

戦争犯罪の定義
■狭義
「戦時犯罪」「戦時重罪」または「通常の戦争犯罪」ともいわれる。一方の交戦国の軍隊構成員または市民が相手交戦国に対してある種の行為を行ったとき、相手交戦国はこれを処罰することができる。
この行為が通常の戦争犯罪である。その代表的なものは軍隊構成員による戦時国際法の違反である。たとえば禁止されている兵器を使用したり、捕虜を虐待したりすることはこれにあたる。
そのほかに一般市民による敵対行為への参加も犯罪となる。特殊なものとしては間諜(かんちょう)(戦時のスパイ)、戦時反逆(占領地などで行われる敵国のための情報提供や破壊行動など)や
剽盗(ひょうとう)(戦場をさまよい窃盗や略奪を行うこと)がある。これらの犯罪を犯した者を他方の交戦国が捕らえたときは、死刑を含む刑罰を科することができる。
交戦法規の違反に対する制裁の一態様として、この種の戦争犯罪は国際法上古くから確立していた。
■広義
しかし、第一次世界大戦後ベルサイユ条約は「国際道義ニ反シ、条約ノ神聖ヲ涜(けが)シタル重大ノ犯行」について、ドイツ皇帝ウィルヘルム2世の責任を問い、その訴追を定めた(第227条)。
この裁判は、オランダが皇帝の身柄引渡しを拒んだため実現をみなかったが、戦争犯罪概念の展開に一つの時期を画したものであった。

 第二次世界大戦後、ニュルンベルクおよび東京で国際軍事裁判が行われ、ドイツおよび日本の戦争指導者が処罰された。これらの裁判所の条例では、通常の戦争犯罪のほかに、「平和に対する罪」と
「人道に対する罪」についても、これを犯罪として処罰すべきことが規定された。いいかえれば、侵略戦争の計画、準備、開始および遂行、ならびに一般人民に対してなされた殺害、大量殺人、奴隷化など
の非人道的行為がいずれも犯罪とされたわけである。
第一に、平和に対する罪や人道に対する罪は実定法上で確立していたわけではないから、これによって処罰することは事後法の適用であり、罪刑法定主義に反するという批判。
第二に、国家機関として行動した個人を、個人的な刑罰の対象とすることは不合理であるという批判。
第三に、検察官はもちろん、裁判所も戦勝国の国民だけによって構成され、もっぱら敗戦国側の行動だけが裁かれるのは公平でないという批判、などがそれである。
しかし、1946年に国連総会は「ニュルンベルク裁判所条例およびその判決によって認められた国際法の諸原則」(ニュルンベルク諸原則)を確認し、それを受けて国連国際法委員会は、
「人類の平和と安全に対する罪についての法典草案」を51年、54年および96年の三次にわたって採択し総会に提出した。このように今日では、拡大された広い意味での戦争犯罪の概念は
国際社会で定着しているとみてよい。

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